「東天紅」流、ゲストに愛される信頼のおもてなし術とは
[代表取締役]小泉 和久(こいずみ・かずひさ)
[創業]1961年12月
[本社所在地]東京都台東区池之端1-4-1
[アクセス]東京メトロ千代田線 湯島駅から徒歩3分/ JR各線 上野駅しのばず口より徒歩13分
広東・福建料理をベースにした中国料理「東天紅」をはじめとするレストラン事業を展開。1961年に東京・上野の不忍池畔に初出店後、大阪・名古屋といった全国の主要都市で店舗をオープンする。これまでに宴会やウェディングといった利用客の門出を祝うシーンを数多く演出しながら、2018年2月現在で20店舗へと拡大。最近は日本料理やカフェなど複数の業態を開発し、幅広い年齢層からの支持を集めている。
東天紅 上野本店(取材場所)
[店舗所在地]東京都台東区池之端1-4-1
[アクセス]東京メトロ千代田線 湯島駅から徒歩3分/ JR各線 上野駅しのばず口より徒歩13分
※内容はすべて取材当時のものとなります。
東京・上野の池之端に本店を構える中国料理レストラン「東天紅」。
ウェディング事業をはじめ、法要に接待など、ゲストの特別な一日を格別な気持ちで “おもてなし” しています。
Career Groove編集部は今回、そのおもてなしを一手に担うサービススタッフのバイト現場に潜入。
4月で新卒入社10年目を迎える社員・水内康徳さんと入社5年目の斎藤舞子さんに、仕事のやりがいと魅力をお聞きしました!
浮かび上がってきたのは、万人から愛され信頼を得る接客スキル。
未経験のアルバイトスタッフがハイレベルなサービスに携われるようになるまでサポートする、充実した人材育成方法についても明かしてくださいました。
万人に愛され、信頼を得る「東天紅」サービススタッフの接客術
★「東天紅」のバイトはこちら!★――今日はよろしくお願いいたします! 斎藤さんはベテランアルバイトとして活躍中だとお聞きしています。東天紅で働き始めて、どのくらい経ちましたか?
斎藤 ベテランに活躍中だなんて、とんでもないです!
“準社員” といってアルバイトとして入社して、5年目になりました。
土日や祝祭日を含めて週5日、一日あたり8~10時間くらいシフトに入っています。
――どのようなお仕事をされているんでしょう?
斎藤 ゲストとご宴席スケジュールのお打ち合わせから、料理やドリンクのご提供といった当日のテーブルサービス、お会計までやらせていただいています。
――サービススタッフのお仕事は当日だけでなく、多岐にわたるんですね。では、宴席の予定が入っている日の勤務フローを教えてください。
斎藤 出勤したら担当になった会場の流れを確認して、お部屋の確認を行います。
グラスはきちんと置いてあるか、しっかり磨かれていて汚れがないか、掃除は行き届いているか……など。
チェック項目がたくさんあるんです。
あとはゲストがいらっしゃるまで、ほかのスタッフと打ち合わせをしながらその日の流れを確認していきます。
――ゲストがいらっしゃったあとは?
斎藤 乾杯のごあいさつを終えたら、ドリンクのケアと料理出しに入りますね。
料理はコースでお出ししているので、ご提供のタイミングを細かく調整します。
例えば遅れていらっしゃるお客様の人数をキッチンに伝えて、お料理の完成を少しズラしてもらったり。
逆に、召し上がるのが早いゲストが多い場合は早く出せるか確認したり。
約2時間、楽しい時間をお過ごしいただけるように全力でサービスにあたります!
――お客様のお見送りも行うのでしょうか?
斎藤 お見送りして、食器の後片づけを行います。
それから翌日に入っているご予約のスタンバイまで行って、勤務を終えます。
――コース料理だと、2時間のご宴席で何皿くらいお出しするんですか? ゲストがお選びになったプランによっても異なると思いますが……。
斎藤 7皿ですかね?
水内 平均すると……8皿かな。
斎藤 あ、デザートも含めると8皿ですね。
――けっこうなお品数ですよね。「次のメニューが控えているから早く食べてもらえないかな」といった葛藤もおありになるかと思いますが、何か創意工夫をされていますか?
斎藤 「間もなく次の料理が参りますので、温かいうちにお召し上がりください」とお声がけしますね。
――どんな方でも受け入れやすい、自然なお声がけですね! お仕事にやりがいや楽しさを感じる瞬間について教えてください。
斎藤 上野本店の場合、常連の方が多いんです。
「去年も担当してくれた方よね?」とわたしの顔を覚えてくださっていた方がいて、とても励みになりました。
あとはご宴席の現場で名前を覚えてくださって、「斎藤さ~ん」とお呼びいただけるのもうれしいです。
上野本店は下町のお客様が多く、みなさんノリがよくて楽しい方が多いんですよね!
友人のように打ち解けてくださって。
――2時間ほどのご宴席でそこまでゲストの心をつかむなんてすごいですね! 何をされたんでしょうか?
斎藤 ドリンクをおつくりしている時に、お客様のお顔とご注文いただいたメニューを覚えるんです。
お代わりをお求めの際に「○○でよろしいですか?」とお尋ねすると、「覚えてるんだね!」と驚かれることがありまして。
そうすると「斎藤さんっていうんだね」と名札を確認して、名前を覚えてくださいます。
――ちょっとしたサプライズの域ですね。ゲストの信頼を得る気の回し方を教わった気がします。
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「東天紅」の全スタッフに息づく、“おもてなし” 人材を育てる伝統
――次は、社員としてアルバイトのサービススタッフと一緒に働いている水内さんにお聞きします。ふだんはどのようなお仕事をされているんでしょうか?
水内 東天紅の仕事は平日と土日・祝祭日で大きく異なります。
お客様から宴席のご予約があって初めて作業が生じるので、平日昼は土日や祝祭日に比べたら時間に余裕があります。
社員の場合は、その時間を活用してシフトをつくったり、売り上げの原価や人件費を算出したり……。
事務作業的な側面が多いですかね。
平日でも夕方にはご予約のお客様がいらっしゃるので、お部屋の準備がしっかりできているか、スタッフは笑顔でゲストに接客できるような健康状態か、チェックしながらお手伝いします。
人手が足りない時はわたし自身もご宴席の現場に入って、ドリンクづくりやお料理のご提供を行うことも。
都度判断しながら、臨機応変に動くように心がけています。
――土日や祝祭日は?
水内 休日はご予約のお客様が数多くいらっしゃるので、午前中から現場に入っていることが多いですね。
――サービススタッフの管理をしながら、ご自身も現場に立たれているのですね。アルバイトさんの持ち場はどのように決まるのでしょうか?
水内 ご宴席の規模や目的に合わせて、スタッフの人員割りが決まります。
例えば「30人ほど参加される一般的なご法要の規模であれば、経験豊富な斎藤さんが指揮を執りつつ、もう1人スタッフがいれば回せそう」とか。
斎藤さんのようなベテランには経験の少ないスタッフの教育も担ってもらいます。
ゲストにご満足いただけるようなサービスが行えるよう、成長をサポートしてもらって。
――アルバイトさんが教育も担当されるんですね! そこまでのスタッフを育てる秘けつを教えてください。
水内 ひと言でいうなら “アメとムチ” でしょうか。
例えばとあるスタッフを叱った時は、会場責任者に「こういう経緯だからフォローお願い」と伝えておく。
逆に「現場の責任者があの子を叱ったんですよね」と報告をもらえば、僕がフォローする……といった感じで。
怒られてばかりだとイヤになってしまうと思うんですよね。
だから周りが役割分担して、スタッフのモチベーションを保つように心がけています。
――ちなみに斎藤さんは、水内さんに叱られたり励まされたりしたことはあるんですか?
斎藤 初めてウェディングのサービスをした時に「いい笑顔だね」と褒めてもらったことが印象的でした。
入りたての頃は「もう少し気を利かせられるようになるといいよね」とアドバイスをいただいて。
――まさに “アメとムチ” の実践ですね! スタッフ育成面でやりがいや達成感を覚えた瞬間を教えてください。
水内 「笑顔が少ないし、スタッフとしてやっていけるかな?」みたいな第一印象の子がいたんです。
でもこちらが根気よく接するうちにだんだんと接客がよくなって、作業スピードも上がっていって。
1年後には新人スタッフのフォローもできるようになりました。
「この子に何人かつけて任せておいたら安心だね」というレベルまで成長する姿を見ていると、こちらの教育が実を結んだ気がしてうれしいですね。
親になった気分というか(笑)。
チームに貢献して助けてくれる瞬間は、すごく頼もしく感じます。
――先ほどからお聞きしていると、「東天紅」では人を育てる土壌がしっかり整っている気がします。
水内 ありがとうございます。
そういった雰囲気は社員だけに根づいているものではないんですよ。
お客様の特別な一日をおもてなしできるスキルを、伝統として “継承” しようという気持ちが東天紅のアルバイトにはあります。
経験の乏しいスタッフは、先輩がみっちりOJTを行うことで成長していきます。
成長したスタッフは、かつて自分が受けた指導を後輩に対して同じように行ってくれる。
そうしたサイクルが自然に生まれているんです。
斎藤 わたしは接客未経験で入社しましたが、先輩や社員の方に支えられてここまで働いてこられました。
そんな人間を受け入れて、きちんと育ててくださる環境がありそうだと感じたのも、東天紅を勤務先に選んだ理由のひとつです。
――経験の少ないバイト初心者にとって心強いですね! ありがとうございました。
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未経験からウェディングアテンダーへ、「東天紅」で築くキャリア
――サービススタッフの年齢層や男女比、平均の勤続年数はどのくらいですか?
水内 学生とフリーで二極化していますね。
上野本店の場合、男女比は2:8くらいで女性の方が圧倒的に多いです。
大きい会場になるほど力仕事が必要なので、男性の手があると大変助かります。
――フリーで働かれている方は何歳くらいの方が多いですか?
水内 主婦の方はもちろん、20代の子もいますよ。
学生時代に弊社でバイトをしてくれて、「居心地がいいし東天紅で成長していきたいから」と就職せずにそのまま続けてくれているスタッフもいます。
――ゲストだけでなく、スタッフの心もつかんでいらっしゃるんですね。同業他社と比べて「東天紅」で働く魅力やメリットはどのような点にあると考えていらっしゃいますか?
水内 スタッフがやってみたい仕事に取り組ませてあげることができること……でしょうか。
希望を挙げてくれた子には、その目標に向かって導く環境が整っていると思います。
スタッフの能力や店の設備にもよりますが、ゴールにたどり着けるようなプロセスを用意しています。
――例えば過去にどんな希望があったんでしょう?
水内 特殊なケースですが「バンケットホールの照明や音響を動かしてみたい」というスタッフがおりまして。
乾杯の音頭に合わせてBGMのボリュームを上げたり、司会と入念な打ち合わせをしてカーテンを開閉させたり。
披露宴や忘年会で映像のお手伝いをしたこともありました。
最初は何となく始めたバイトでも、東天紅での仕事を通じて「これやってみたい」と志向性を見出してもらえるのは社員として本当に喜ばしいことです。
――ちなみに、斎藤さんは「東天紅」でどういったキャリアを積んできたのでしょうか?
斎藤 仕事を続けるうちに、披露宴を挙げられる新郎新婦に一日ついてお世話をする “ウェディングアテンダー” という職種に憧れていきました。
でもやれるようになるには、さまざまな場面で気を利かせられるようにならなくてはいけません。
目標をお伝えしたあとは、サービススタッフの仕事をさらに極めることになりました。
多様なご宴席やウェディングの現場で経験を積ませてもらって……。
今では無事にアテンダーを担当させていただいております!
――すごい、目標達成できたんですね! ウェディングアテンダーになるのに、どうしてサービススタッフの経験が必要なんですか?
斎藤 アテンダーは店全体のフロアや会場、サービスなどあらゆる知識が必要とされる職種。
その基本動作としてぴったりなのが、さまざまな人員を動かしてご宴席を滞りなく盛り上げるサービススタッフなんです。
――なるほど。それでは最後に「東天紅」の求人に応募しようか迷っている方の背中を押すようなメッセージをお願いします!
水内 東天紅には、お客様のスペシャルな一日を演出するためのさまざまな仕事が用意されています。
夢中になって取り組むうちに、何かの才能が開花するかもしれません。
ほかの企業に就職しても即戦力になれるような成長スピード、ものの考え方、スキルが身につくと思いますよ。
人生のターニングポイントになるような経験が積める環境をご用意して、お待ちしています。
――ありがとうございました!
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取材・文・撮影 / 岡山朋代