介護スタッフの熱意が利用者を笑顔に!「ヒューマンライフケア」の施設運営
[代表取締役]瀬戸口 信也(せとぐち・しんや)
[創業]2010年4月
[本社所在地]東京都新宿区西新宿7-5-25 西新宿プライムスクエア1階
[アクセス]各線 新宿駅から徒歩10分
教育を基点に幅広い事業を行うヒューマングループの介護部門として、介護保険法施行(2000年)の1年前から「デイサービス」や「グループホーム」、通い・訪問介護・宿泊を組み合わせた「小規模多機能型居宅介護」など幅広い介護事業を全国で展開している。“住み慣れた街で、自分らしい暮らしを、人生の最後まで” をテーマに、累計100万人以上の利用者に寄り添ってきた。2018年8月現在、181施設を運営している。
ヒューマンライフケア清瀬(取材場所)
[所在地]東京都清瀬市元町1-8-25
[アクセス]西武池袋線 清瀬駅から徒歩3分
※内容はすべて取材当時のものとなります。
日本全国で幅広い介護サービスを提供している、ヒューマンライフケア。
Career Groove編集部は、その中でも “通所介護” と呼ばれる「デイサービス」のバイト現場にお邪魔しました。
介護の仕事って、体力勝負で大変なイメージがありませんか?
さぞかし厳しいエピソードが登場するのでは……と編集部も身構えました。
でも、ヒューマンライフケア清瀬で所長・管理者を務める浅見彩花さんは「楽しいから続けてこられたんです」と笑顔で話します。
これまでの職業イメージを塗り替える、ヒューマンライフケアの取り組み。
利用者から支持される運営を心がけることが、現場で働くスタッフのモチベーションを上げていました。
朝の送迎or入浴介助? 日帰りデイサービスのシフトは2種類
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――本日はよろしくお願いします! 「ヒューマンライフケア清瀬」はどんな役割を持った施設なのでしょう?
要介護・要支援の認定を受けた方が、ご自宅で健やかな暮らしを続けられるように日帰りで “通って” いただくデイサービスの拠点です。
ヒューマンライフケアが運営する施設の約50%は、デイサービスで占められているんですよ。
清瀬の場合、ご利用者は地元の(東京都)清瀬市をはじめ、近隣の東久留米市・東村山市・西東京市・埼玉県新座市・所沢市にお住まいの方が多いです。
現在は5~6人のスタッフで、ご利用者25名ほどのお相手をさせてもらっています。
――通ってくださる方は週にどのくらいいらっしゃるんですか?
介護度によって来られる回数や頻度に制限があります。
週1回の方もいらっしゃいますし、日曜の定休日を除いて毎日…… “週6回” 来られる方もいます。
――利用者は施設でどのように過ごされているんでしょうか?
朝、ご自宅へお迎えに上がって施設に到着したら、基本的には中で過ごしていただきます。
入浴される方がほとんどですのでお風呂に入ってリハビリを行って、昼食を取って。
午後になったら体操やレクリエーションをして、そのあとは順次ご自宅にお送りする……という流れですね。
――どのような目的で施設にいらっしゃる方が多いですか?
いらしていただく理由は人それぞれですね。
ご自宅での入浴が困難な方は、言ってみればお風呂がメインイベント。
「一人暮らしだから誰かと話したい」とご利用者同士やスタッフとの交流を目的に通ってくださる方もいます。
本当に多様なので、ご滞在中はお一人お一人の目的に添えるようなサービスを提供したいというのが清瀬の思い。
介護サービス以外にもレクリエーションにご参加いただくなどして、楽しんで帰っていただければ。
――アルバイト・パートの方がたどる一日の業務の流れを教えてください。
清瀬の場合、出勤帯としては
①朝の送迎に向かうスタッフ
②入浴介助に入って、夕方の送迎に向かうスタッフ
の2種類があります。
●朝の送迎に向かうスタッフ=8:00~17:00
朝はだいたい、8:00台にこの施設を出発してお迎えに上がるケースがほとんど。
ですので、お迎えの添乗員になるシフトに入ったら7:45くらいにご出勤いただいて簡単な準備を行います。
ご利用者の自宅には、運転手と介護スタッフがペアになって向かいます。
数軒まわって全員をお乗せしたら、いざ施設へ。
到着したらリハビリのお手伝いを行ったり、ご利用者の話し相手を務めたりしながら入浴の順番を待ちます。
●入浴介助に入って、夕方の送迎に向かうスタッフ=9:00~18:00
入浴介助のシフトは9:00からの出勤です。
8:45くらいにいらしていただき、お風呂の環境を軽く整えてもらいます。
終わるころには施設にご利用者が到着しているタイミング。
血圧を測り、入浴しても差し支えのない方からご入浴……という流れですね。
――それぞれ送迎の添乗員と入浴介助を終えたら?
ランチをお出しして、必要な方には食事サポートを行います。
ご利用者の前に出て、身体機能の維持・改善を目指す “体操” の見本を務めることもありますよ!
カラオケをはじめとするレクリエーションイベントを開催する日は運営に走り回ります。
実はこのイベントこそ、ヒューマンライフケアが力を入れているといっても過言ではないかもしれません。
――イベント? 何が行われているのか教えてください!
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介護スタッフが企画した独自イベントで、利用者の満足度を高める
――ヒューマンライフケアが注力して取り組んでいる、レクリエーションイベントについて教えてください。
例えば、今日も「伝統文化創作レクリエーション」というイベントを行っています。
日本に昔からある伝統文化を取り入れたものづくりをしてもらっていて。
今日は木製の骨組みに和紙を貼る “うちわ” づくりの日ですね。
ハサミで和紙を切ってボンドで骨組みに貼る作業に、脳を活性化させる効果を期待している側面もあります。
お手製のうちわで、暑い夏を乗り越えていただきたいですね。
他のデイサービスさんでも “夏祭り” といったイベントは行われています。
でもどの施設でもやるような内容だけでは、今後ご利用者に選んでいただけないのでは……と考えていて。
ヒューマンライフケアでしかやっていないイベントを前面に出していく必要があると感じています。
――ヒューマンライフケアが独自で行っているイベントの事例をご紹介いただけますか?
「選べるおひる」という企画がありまして。
いつもご利用者には、施設で一括注文して届いたお弁当を召し上がってもらっています。
でもイベント実施日にはピザを頼んだり、中華料理のバイキングを呼んでみたり。
ご利用者の中には、ご自宅と施設を往復されるだけの方もいらっしゃいます。
外に出て、自分の目で品物を選ぶ機会に恵まれないんですよね。
やってみたくてもご家族やヘルパーさんがいないと難しい環境の方が多いとお聞きして。
ですので、施設に来ていただいている間に実現できたら……と考えています。
宅配ピザやバイキングなど、少人数では行えないようなことも施設ではできますから。
さらにお口に合えば、より嬉しいだろうなって。
――いいですね! ジャンクフードを食べたい時だってありますもんね!
そうなんですよ!
お弁当だと健康に配慮がなされているものの、控えめな味つけなんですよね。
お年を召していても、中にはしょっぱい味つけを好まれる方もいらっしゃいますし。
なのでお醤油の利いた海鮮丼や、チーズがたっぷり乗ったピザを食べていただけるようなイベントを企画して。
ちなみに、明日はわたしが発案した焼きたてパンビュッフェの日なんです!
――焼きたてのパンビュッフェ!? 明日が取材だったら香りだけでも楽しめたのに(笑)。ひとつのイベントを企画して実行に移すまで、どれくらいの時間がかかるんでしょう?
7月初頭に思いついて、明日(7月24日)実施するので……半月くらいですね。
以前、この施設とお付き合いのあったケアマネージャーの方が障がい者支援施設で働いていて。
久々にお会いした時に「彼らのつくったパンを病院で出したり売ったりしている」とおっしゃっていました。
そこで「ウチにも持ってきてもらえませんか?」とお聞きしたところ、ご快諾いただくことができて。
――半月で実現するのは早いですね!
初めての試みですので不安もありますが、心配ばかりしていても仕方ありません。
「とりあえず一度やってみよう」という気持ちで、あまり温めすぎないうちに実行しています(笑)。
うまくいけば来月もやりたいですし、ゆくゆくは定期的に行う名物イベントにしたいですね!
――イベントはどなたが企画立案するものなんでしょう?
毎月のミーティングで企画出しを行っている拠点もあれば、「翌月のイベント何にする?」と雑談ベースで話し合う拠点もあります。
いずれにしても「こんなイベントがよいのでは?」という前向きな提案に対しては、「どうしたら実現できるかな?」とみんなで話し合いをするようにしていて。
想定し得るリスクを減らした上で「じゃあ実行してみよう」という感じで、どんどん形になっていきます。
―― “スタッフ発信” で施設の運営内容が決まっていく社風なんですね。
会社も「やりたい」と感じた思いを本当に尊重してくれるんですよね。
保守的な組織なら実現できそうにないことも、少しの工夫でご利用者のみなさんに楽しんでいただける。
時にはアドバイスまでしてもらえるんです。
若い会社だから……でしょうか。
古い風習にかたまっているというより、新しいチャレンジをどんどん受け入れる土壌がある気がしています。
――認知症予防の脳トレ本も、オリジナルなんですよね?
そうなんです。
迷路、漢字パズル、時計の文字などバリエーション豊かな脳トレ本になっていて。
認知症対策としてポピュラーなのは “百ます計算” のような単純な内容が多いんですね。
でもヒューマンライフケアの脳トレ本は、空間を想像して解く問題など7つの力にアプローチする取り組みを行っています。
こちらも企画が立ち上がってから各施設でスタートするまで2~3ヵ月しかかかっていないんですよね。
「前例がないからできない」とNGになることは少ないですし、新しい動きは常にあります。
脳トレ本は全社通しての企画ですが、拠点の自主性に任せてもらえる側面が強いのがイベント運営。
今後もご利用者に喜んでいただけるような企画をたくさん考えていけたら、と思っています。
――ちなみにヒューマンライフケア清瀬での人気イベントって?
「選べるおひる」をはじめ、おやつバイキングといった “食べる” 系のイベントが人気です。
一人暮らしのご利用者にとって、ご自分で選んだメニューを大勢で召し上がることが刺激になっているようで。
――ご利用者の満足度が高いことは、働くスタッフのモチベーションアップにもつながりそうですね!
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未経験者歓迎! 施設見学でヒューマンライフケアの介護を体感して
――次にヒューマンライフケアの “介護サービス” のやりがいについて教えてください。実際に働き始めて、浅見さんの中で成長できたと感じられる変化はありましたか?
イベントの司会をしたり体操のお手本になってみたり、人前に臆せず出られるようになりました。
もともとシャイな性格で、目立つことは苦手だったんです。
前の職場ではそれほどイベントがなかったので機会に恵まれなかった、というのもあるんですけれど。
でもヒューマンライフケアに入社して、「利用者のみなさんに楽しんでもらえているだろうか」という気持ちで働いていたら苦ではなくなり、自然とできるようになりました。
以前より、だいぶ明るくなったと思います(笑)。
――そうなんですね!
でも介護ってあまり良いイメージがない仕事なのかな、と思う瞬間が正直あります。
実際に働いてみても大変なことはやっぱりあるんですけど、それを上回る楽しさも感じられるんですよ。
だから続けてこられたと思っています。
――今まさにおっしゃった、介護の仕事につきまとっているネガティブなイメージ。どういった点に大変さを感じますか?
体力勝負なところでしょうか。
夏場の入浴介助はいつも汗だくですし、トイレの介助では排泄物の処理を行います。
――そうですよね。でもその程度なら求職者もきっとイメージできますし、「やれる」と思うから応募してくださるのでは? 実際に働き始めて、イメージとのギャップに挫折してしまう方がいらっしゃるのでしょうか?
未経験者の応募がそもそも少ないですね。
この拠点には「介護は初めて」のスタッフが在籍していますが、全体を見渡すと経験者のご応募が多いです。
――介護職の経験があった方がいい?
清瀬のスタッフは、みんな一様に「経験は問いません」と言いますね。
「未経験の方でも一から育ててみたい」とも。
わたしも同じ考えです。
介護の仕事は「若くて力がないとダメなのでは」と思われがちですけど、全てが体力勝負というわけではなくて。
姿勢を安定させて最小限の力でご利用者を支える “ボディメカニクス” の考えを取り入れると、小さな力でも介護が可能になります。
例えば女の私でも、身長185cmくらいのご利用者を持ち上げられますし。
60kgくらいある寝たきりの方でも、体を小さくまとめて “てこの原理” を使うと簡単に体勢を変えられます。
そうしたノウハウは先輩スタッフがしっかり教えるので、ご安心いただければ。
でも未経験の方でしたら、ご利用者のお身体に直接触れる介護はすぐにさせません。
場数を踏んでから……といいますか、最初はご利用者との “会話” をメインにご担当いただきます。
どのような雰囲気づくりを行うとご利用者から信頼してもらえるのか……というのを感じ取ってもらえたら。
――会話から?
ご利用者とのコミュニケーションは、ご家族やご友人と話している感覚とは異なると思うんですね。
「ゆっくりと聞き取りやすい声で丁寧に話した方が伝わりやすいな」とか、「こういう話題が好まれるのか」みたいな感触を持ってもらう。
何より、新しいスタッフの顔を利用者のみなさんに覚えていただきたいですしね。
お身体に直接触れる介護も、初めての方は先輩スタッフについてもらいます。
「こんな風にやってみて」と段取りの説明を受けながら、最初は “見て” 学んでもらう。
次に少し “触れて” みて、クリアできたら次は自分一人で “最後まで” やってみる……と段階的に進めていきます。
――介護の大変さをフォローして独り立ちできるようなノウハウがあり、それをしっかり授けてもらえる環境が整っているんですね。基本的には採用された拠点で、OJT形式で介護のスキルを身につけていくんでしょうか?
そうですね。
介護職員初任者研修の資格がない場合でしたら、取得をオススメさせてはいただきます。
私の経験上、資格を取りつつ働くとすごく良い効果が出ると思うので。
デイサービスは無資格でも働いていただけます。
でも同じヒューマンライフケアの中でも、グループホームや訪問介護の仕事に就きたい場合は “初任者研修” の修了以上を要件としている場合も。
厚生労働省が推進している「介護雇用プログラム(※)」も便利ですよ。
私は一週間のうち1日は通学して、4日は清瀬で働く生活を半年間ほど送らせてもらいました。
(※)現在は「東京都トライアル雇用事業」。
――次に面接での質問内容を教えてください。
面接は本部からの質問シートをもとに進めていますが、個人的には
未経験者……「介護という仕事を始めようとした理由」
ご経験者……「ヒューマンライフケアを選んでいただいた理由」
をお聞きするようにしています。
有料老人ホームで働いていた方でしたら、「なぜデイサービスに?」という動機も気になりますね。
あと「やってみたい仕事は?」と聞くことで、入社後の業務にどんなイメージを持っているかを聞いています。
――何をもって “マッチング” とするんでしょう?
介護サービスでもイベント運営でも、最初から完璧にできなくても構いません。
まずは「やってみよう」と前向きに考えられる方なら大歓迎です!
「工夫したらできるかな?」とトライ&エラー精神を発揮していただける方だとありがたいですね。
焼きたてパンビュッフェのイベントも、私一人で企画・実行するわけではありません。
清瀬のスタッフからアドバイスをもらい、支えられながら初めて成立するイベントなんです。
だから、そうした声を上げてくれるだけでもありがたい。
「ご利用者が喜んでくれることをみんなで一緒に考えて実行しよう」という雰囲気を好んでくれる方。
きっとヒューマンライフケアの各施設でご活躍いただけると思いますよ。
――最後に、ご自身の立場から「ヒューマンライフケア」介護職への応募を考えている求職者の背中を押すようなメッセージをお願いします!
ヒューマンライフケアの介護職はスタッフの年齢層も幅広いです。
未経験でご入社いただいた方で活躍しているアルバイト・パートさんも数多くおりますので、ご安心ください。
「介護にはいろんなイメージがあるけど実際はどうなのかな?」と興味をお持ちの方。
「働いてみてもいいかな」と思ってくださった方。
ぜひ一度ご応募いただいて、勤務を希望する施設のご見学にいらしてください。
―― “見学” は清瀬に限らず、ヒューマンライフケア全体の話として求職者に提案しても大丈夫ですか?
大丈夫です!
特にご経験者の中には社風や職場環境といった根元のところで馴染めず、人間関係に悩んで辞められている人もいらっしゃいます。
そうした方々が、よく「面接の前に施設見学したい」とおっしゃるんですね。
ミスマッチを避けるためにも、どうぞ職場環境をご覧ください。
その上で「ここでなら働けそう」とご納得いただけたら面接に進む……というフローでも問題ありません。
ぜひご見学いただいて、ヒューマンライフケアで働くイメージを膨らませてもらえたら。
――ありがとうございました!
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取材・文・撮影 / 岡山朋代