バイト・パートでも有休休暇は取れる?条件や計算方法など基礎知識を紹介
「バイトやパートでも有給休暇を取れるのかな?」と思うことはありませんか?結論、バイトやパートでも、条件を満たしていれば有給休暇を取得できます。
本記事では、バイト・パートが有給休暇を取得するために知っておくべき基礎知識をまとめました。
有給休暇の取得で損をしないためにも、ぜひ参考にしてください。
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【目次】
1. バイト・パートでも有給休暇を取得することは可能
2. バイト・パートが有給休暇を取得するときの2つの基準
3. バイト・パートが有給休暇でもらえる給与の計算方法は3パターン
4. パート・バイトが有給休暇の取得で知っておくべき2つのポイント
5. バイト・パートがスムーズに有給休暇を取得する3つのコツ
6. バイト・パートが有給休暇を取得するときによくあるQ&A
7. まとめ
バイト・パートでも有給休暇を取得することは可能
冒頭でお伝えしたとおり、バイトやパートであっても有給休暇は取得できます。
有給休暇は、労働基準法で『年次有給休暇』とされ、条件を満たしたすべての労働者に対して、取得が義務付けられています。
また、労働者が休暇を取得した場合、バイト・パートだからといって、雇用主が給料を減額したり不当な扱いをしたりすることはできません。
労働基準法では、労働者の有給休暇について下記のように定められています。
第百三十六条
使用者は、第三十九条第一項から第四項までの規定による有給休暇を取得した労働者に対して、賃金の減額その他不利益な取扱いをしないようにしなければならない。
引用:労働基準法
以上のように、バイトやパートでも、正社員と同じように有給休暇を取得できる体制が整えられています。
ただ、バイト・パートが有給休暇を取得するためには、一定の基準をクリアしなければなりません。
次で解説しますので、ぜひ参考にしてください。
バイト・パートが有給休暇を取得するときの2つの基準
バイト・パートが有給休暇を取得するには、下記2つの条件を満たしている必要があります。
(1)雇い入れの日から6か月経過していること
(2)その期間の全労働日の8割以上出勤したこと引用:厚生労働省
上記を満たしているなら、有給休暇の取得が可能です。有給休暇の付与日数は、下記2つの基準のどちらに当てはまるかで決まります。
- 1.週に30時間以上、または5日以上働いている場合
- 2.週に30時間未満かつ、4日以下働いている場合
なお、労働時間や日数は、労働契約や就業規則であらかじめ決められた所定の日数・時間を基準とします。
では、それぞれ順番に見ていきましょう。
基準1.週に30時間以上または5日以上働いている場合
週に30時間以上(または5日以上)働いている場合、職場で働きはじめてから半年後に10日間の有給休暇が付与されます。
勤務年数 | 半年 | 1年半 | 2年半 | 3年半 | 4年半 | 5年半 | 6年半以上 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
付与日数 | 10日 | 11日 | 12日 | 14日 | 16日 | 18日 | 20日 |
参考:東京労働局
上記のように、同じ職場で働き続けるほど、取得できる有給休暇の日数が増える仕組みです。
基準2.週に30時間未満かつ4日以下働いている場合
労働日数 | 勤務年数 | |||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
週の所定 | 年間の所定 | 半年 | 1年半 | 2年半 | 3年半 | 4年半 | 5年半 | 6年半以上 |
4日 | 169日~216日 | 7日 | 8日 | 9日 | 10日 | 12日 | 13日 | 15日 | 3日 | 121日~168日 | 5日 | 6日 | 6日 | 8日 | 9日 | 10日 | 11日 | 2日 | 73日~120日 | 3日 | 4日 | 4日 | 5日 | 6日 | 6日 | 7日 | 1日 | 48日~72日 | 1日 | 2日 | 2日 | 2日 | 3日 | 3日 | 3日 |
参考:東京労働局
2つ目の基準は、労働契約で決められた所定の日数・時間が下記2つを満たす場合です。
- 所定の労働時間が30時間未満
- 所定の労働日数が4日以下
労働契約で週に働く日数が決まっている場合は、毎週2日間の出勤を1年半続けると、4日間の有給休暇をもらえるようになります。
もし、週の労働日数が決まっていなければ、1年間の労働日数で判断されます。
バイト・パートが有給休暇でもらえる給与の計算方法は3パターン
バイト・パートが有給休暇を取得した日に支払われる給与は、以下の3パターンで計算されます。
1.通常賃金を支払う場合
2.平均賃金を支払う場合
3.標準報酬日額を支払う場合
それぞれの計算方法について、解説します。
パターン1.通常賃金を支払う場合
<通常賃金を支払う場合の計算方法>
有給を取得する日の勤務時間×時給
通常賃金で支払われる場合、有給休暇を取得する日の勤務時間をベースに計算されます。
通常賃金とは、労働契約などで決められた所定の時間に働いた場合に支払われる賃金のことです。
一般的には、シフト制のように、1週間や月の労働日数・労働時間が定められているケースで用いられます。
計算方法の例は、下記のとおりです。
■前提条件
・有給を取得する日の勤務時間:6時間
・時給:1,100円
■計算方法
6時間×1,100円=6,600円
上記の例では、1日あたり6,600円の給与が支払われることになります。
パターン2.平均賃金を支払う場合
次は、過去3ヵ月間の賃金の合計額から平均賃金を算出する方法です。
なお、平均賃金とは、過去3ヵ月間に支払われた賃金の総額を、その期間のカレンダー上の総日数(暦日数)で割った平均額です。
以下の計算方法で求められます。
出典:東京労働局
計算方法の一例を見てみましょう。
<平均賃金を支払う場合の計算例>
■前提条件
・過去3ヵ月間の賃金の合計額:15万円
・過去3ヵ月間の総日数:92日
・過去3ヵ月間の労働日数:50日
■計算方法
(1)15万円÷92日=約1,630円
(2)15万円÷50日×0.6=1,800円
上記の計算結果から、合計額が高い②1,800円の賃金が支払われます。
パターン3.標準報酬日額を支払う場合
3つ目は、標準報酬日額が支払われるパターンです。
標準報酬日額は、病気や失業などで困ったときのための保険(社会保険)料の基準となる「標準報酬月額」をもとに算出します。
計算方法の例は、下記のとおりです。
標準報酬日額を支払うには、雇用主と労働者の間で正式に約束を交わす「労使協定」を結ぶ必要があります。
基準となる「標準報酬月額」には上限があるため、通常の賃金より支給される給与が少なくなるケースがあるからです。
雇用主から一方的に少ない賃金で支払われる心配はありませんが、もし適用されるのであれば責任者に確認してみましょう。
パート・バイトが有給休暇の取得で知っておくべき2つのポイント
パート・バイトが有給休暇を取得するときは、以下2つのポイントを知っておくと安心です。
1.有給休暇には時効がある
2.雇用主から取得時季の変更を提案されることがある
1つずつ見ていきましょう。
ポイント1.有給休暇には時効がある
出典:労働基準法
1つ目のポイントは、有給休暇の時効に注意することです。上記のように、有給休暇は2年で消失してしまうので、計画的に取得しなければなりません。
労働基準法では、下記のように定められています。
(時効)
第百十五条この法律の規定による賃金の請求権はこれを行使することができる時から五年間、この法律の規定による災害補償その他の請求権(賃金の請求権を除く。)はこれを行使することができる時から二年間行わない場合においては、時効によつて消滅する。
引用:労働基準法
有給休暇が発生してから1年間で消化できなかった分は、翌年に繰り越されます。
せっかく付与された休みが無駄にならないよう、できるだけ計画的に有給休暇を取得しましょう。
ポイント2.雇用主から取得時季の変更を提案されることがある
雇用主から有給休暇の申請をした際に、取得する時季の変更を提案されることがあります。
基本的に、有給休暇の取得を相談された雇用主は、労働者の希望をふまえて時季を決めなければなりません。
ですが、労働基準法第39条では、事業の正常な運営を妨げる場合に限り、時季の変更を求めることが許されています(=時季変更権)。
(年次有給休暇)
第三十九条⑤ 使用者は、前各項の規定による有給休暇を労働者の請求する時季に与えなければならない。ただし、請求された時季に有給休暇を与えることが事業の正常な運営を妨げる場合においては、他の時季にこれを与えることができる。
引用:労働基準法
法律的には、上司や店長に「人手が足りなくて困るので時季を変更して欲しい」と相談があった場合、応じる必要がありません。
ですがときには、雇用主と労働者の双方が同じ立場で話し合うことも大切です。
変更の依頼があるかもしれないことを想定し、お互いに納得ができる状態で取得しましょう。
バイト・パートがスムーズに有給休暇を取得する3つのコツ
バイト先で有給休暇を取得するときは、できるだけトラブルを避けたいと誰しも思うものです。
ここで、バイト・パートがスムーズに有給休暇を取得するコツを3つ紹介します。
1.有給日数や支給される金額をあらかじめ把握しておく
2.希望の日程はなるべく早く申請する
3.支障のない範囲で理由を共有しておく
順番に見ていきましょう。
コツ1.有給日数や支給される金額をあらかじめ把握しておく
1つ目のコツは、自分が持っている有給日数や支給される金額を、あらかじめ把握しておくことです。
自分で把握していないと、本来取得できる有給休暇を消化し忘れてしまう恐れがあります。
また、有給休暇を取得したときに支払われる給料と、実際に振り込まれた給料が異なっていた場合に気が付けません。
担当者を疑うわけではありませんが、万が一ミスをしてしまった場合、損をするケースもあります。
できるだけ自分で把握しておき、支給日数や金額が異なった場合は、必ず職場に確認しましょう。
コツ2.希望の日程はなるべく早く申請する
希望の日程は、なるべく早く申請することがおすすめです。もちろん法律的には、前日までに申請すれば無条件で取得できます。
ですが、職場によって申請時期の目安が決められていたり、書類の提出を求められたりします。
スムーズに取得できるよう、あらかじめ就業規則などを確認しておきましょう。
また、なるべく繁忙期を避けて申請することで、職場の都合を考慮していることが伝わり、上司や同僚に納得してもらいやすくなります。
職場から納得を得られれば、安心して休みを過ごせるので、できるだけ早めに申請しましょう。
ただ、急な体調不良で当日に欠勤の連絡をするケースもあると思います。
下記の記事では、熱でバイトを休むときの連絡方法を解説していますので、ぜひ参考にしてください。
>>熱でバイトを休む時の連絡方法を解説! 電話・メール・ライン例文付き
コツ3.支障のない範囲で理由を共有しておく
3つ目は、支障のない範囲で上司に理由を共有しておくことです。前提として、バイトやパートが有給休暇を取得することは、法律で認められている権利です。
詳細な理由を説明する義務はなく「私用で取得したい」だけでも、認められるルールになっています。
ですが、取得理由を伝えておくと、上司や同僚が納得したうえでフォローできるので、トラブルを避けやすくなります。
- 両親や祖父母の通院に付き添うため
- 役所で手続きをするため
- 友人の結婚式に出席するため
- リフレッシュのため
上記のように、できる範囲で理由を伝えておきましょう。
バイト・パートが有給休暇を取得するときによくあるQ&A
ここで、バイト・パートが有給休暇を取得するときによくある質問を紹介します。
1.バイト先に「有給は取得できない」と言われたらあきらめるしかない?
2.バイトを辞めるときに有給は使い切れる?
3.シフト制のバイトでも有給は取得できる?
4.有給をすべて使い切っても問題はない?
では、それぞれお伝えします。
Q1.バイト先に「有給は取得できない」と言われたらあきらめるしかない?
あきらめる必要はありません。労働基準法では、雇用主は労働者に有給休暇を取得させる義務があるからです。
労働基準法(第百十九条)では、使用者が労働者に有給休暇を与えなかった場合、懲役や罰金に処すると記載されています。
ただ、自分が法律で定められた条件を満たしていることが前提です。念のため、労働契約や就業規則での取得ルールも確認してみましょう。
Q2.バイトを辞めるときに有給は使い切れる?
使い切れます。有給休暇を残したまま退職すると、すべて消滅してしまいます。
ただ、引き継ぎ期間を考慮したうえで有給を使うことがおすすめです。
すべて消化したうえで円満に退職したいのであれば、なるべく早めに職場へ相談しましょう。
なお、以下の記事では、円満に退職するためのコツや伝え方を紹介していますので、ぜひ参考にしてみてください。
>>バイトを円満に退職するベストな方法は?理由別の伝え方の例文を紹介
Q3.シフト制のバイトでも有給は取得できる?
シフト制でも取得できます。シフト制の場合、働く人が出勤する日時を自由に選択できることが特徴です。
ただ、労働者であることに変わりないので、法律で有給休暇の取得を認められています。
(1)雇い入れの日から6か月経過していること
(2)その期間の全労働日の8割以上出勤したこと引用:厚生労働省
前述した、上記2つの条件を満たしていれば、シフト制のバイトやパートでも有給休暇をとることができます。
Q4.有給をすべて使い切っても問題はない?
退職を考えていないのであれば、すべて使い切ることは避けたほうが無難です。
有休休暇を付与されたタイミングですべて使い切ってしまうと、病気や家庭の事情で休みたいとき欠勤とされてしまいます。
欠勤扱いになれば、休んだ日の給料は支払われません。
もし、長期休暇を取りたいと考えているなら、交渉して取得できることがあります。以下の記事で交渉術を紹介しているので、参考にしてみてください。
>>バイトで長期休暇を取得するための交渉術! 早めの申請が鍵になる
まとめ
有給休暇は、バイト・パートでも以下の条件を満たしていれば付与されます。
- 6カ月以上、継続して勤務している
- 出勤率が、所定労働日の8割以上ある
有休休暇は労働基準法で定められている権利なので、安心して取得しましょう。
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