みんなのバイトの月収は? 趣味にいくら遣う? 大学生のリアルな金銭感覚を調査してみた件
- 調査概要
調査手法:モバイルリサーチ 調査地域:全国 調査対象:大学生の男女18~22歳 調査期間:2017年6月12日(月)~7月18日(火) 有効回答数:267サンプル(男性:142人、女性:125人)
大学生のアルバイト代は1万円~4万円、多くても7万円未満
前回の調査記事 「大学生のアルバイトと金銭感覚調査」2012年
全国の大学生の男女267人に「現在アルバイトをしていますか?」と聞いたところ(図1)、「アルバイトをしている」と答えた大学生は161人(60.3%)、「アルバイトをしていない」と答えた人は106人(39.7%)という結果になりました。
図1●大学生のアルバイト代は月に1万円以上~7万円未満が相場
大学生アルバイターの毎月のアルバイト代を聞いたところ(図2)、「1万円以上~4万円未満」が最多の66人(39.5%)、続いて「4万円以上~7万円未満」が51人(30.5%)という結果になりました。
図2●親からの仕送りや小遣いを「もらっていない」学生は半数以上
また、「親からの仕送り・お小遣いはいくらもらっていますか?」という質問に対して(図3)、全体(267人)の半数以上(150人[56.2%])が「もらっていない」を選択。
金額としては「1万円以上~4万円未満」(51人[19.1%])が最も多く選択されました。
図3大学生アルバイター収入比較 実家暮らしVS 1人暮らし
アルバイトをしている大学生267人のうち、実家暮らしとそうでない学生(1人暮らし、またはシェアハウス)のアルバイト代について比較してみました。
<親からの仕送り・お小遣いの金額(図4)>
実家暮らし/有効回答数203人
実家以外/有効回答数64人
【もらっていない】
実家暮らし/131人(64.5%)
実家以外/19人(29.7%)
【1万円未満】
実家暮らし/34人(16.7%)
実家以外/5人(7.8%)
【1万円以上~4万円未満】
実家暮らし/34人(16.7%)
実家以外/17人(26.6%)
【4万円以上】
実家暮らし/4人(2.0%)
実家以外/23人(36%)
<アルバイトの有無(図5)>
実家暮らし/有効回答数203人中
バイト有/124人(61.1%)
バイト無/79人(38.9%)
実家以外/有効回答数64人中
バイト有/37人(57.8%)
バイト無/27人中(42.2%)
<毎月のアルバイト代(図6)>
アルバイトをしている実家暮らしの大学生/有効回答数122人
アルバイトをしている実家以外に住む大学生/有効回答数36人
【1万円未満】
実家暮らし/16人(13.1%)
実家以外/6人(16.7%)
【1万円以上~4万円未満】
実家暮らし/48人(39.3%)
実家以外/15人(41.7%)
【4万円以上~7万円未満】
実家暮らし/38人(31.1%)
実家以外/11人(30.6%)
【7万円以上】
実家暮らし/20人(16.4%)
実家以外/4人(11.1%)
●実家暮らしの学生の特徴
「親からお小遣いをもらっていない(64.5%/図4)」「アルバイトをしている(61.1%/図5)」実家暮らしの学生が、それぞれ全体の6割程度という結果になりました。自分のお小遣いは、自分で稼いで手に入れている人が多いようです。
いっぽう、親からお小遣いをもらっている場合、その金額は「1万円未満」と「1万円以上~4万円未満」がそれぞれ同率の16.7%(34人/図4)となりました。
つまり、実家暮らしの大学生のお小遣いの平均は、毎月2~3万円といったところになりそうです。これは前回の調査とほぼ変わらず。景気回復の兆しがあるとはいっても、なかなか学生の懐までは温まらないのが現実のようです。
また、毎月のアルバイト代で最も多かったのは「1万円以上~4万円未満」の48人(39.3%)、次に「4万円以上~7万円未満」38人(31.1%)となっており(図6)、実家暮らしの大学生は毎月3~4万円程度、バイトで稼いでいると考えられます。
●実家以外(1人暮らし、シェアハウス)に住む学生の特徴
実家以外で生活している学生の場合、親からの仕送り額はおおよそ1万~7万円程度(図4)が相場となり、さらに毎月のアルバイトで1万円~7万円程度を稼いでいるようです(図6)。
実家以外で暮らす学生のほとんどは、毎月5~14万円程度のお金で生活費をやりくりしていることがうかがえます。
家計簿をつけている学生は、3人に1人
全国の大学生267人に「家計簿等をつけ、支出を管理していますか?」と聞いたところ(図7)、「している」と答えた人は102人(38.2%)、していないと答えた人は165人(61.8%)でした。3人に1人が家計簿をつけて、支出の管理をしているようです。これは前回の2012年の調査と同じ結果となっています。
図7●アルバイトの有無に関係なく、学生の3~4割が家計簿をつけている
同項目を、アルバイトをしている大学生と、していない大学生で比較すると(図8)、以下のような結果になりました。
<アルバイトをしている学生(有効回答数161人)>
家計簿をつけている/70人(43.5%)
家計簿はつけていない/91人(56.5%)
<アルバイトをしていない学生(有効回答数106人)>
家計簿をつけている/32人(30.2%)
家計簿はつけていない/74人(69.8%)
以上の結果から、アルバイトをしている、していないに関わらず、家計簿をつける人は全体で3~4割程度いることがわかりました。
さらに、アルバイトをしている大学生のほうが、していない大学生よりも、家計簿をつけている割合が高いことがわかります。
●実家暮らしでも、家計簿をつける人が3割以上
視点を変えて、同項目を居住環境別で比較すると(図9)、実家暮らしで家計簿をつけている大学生は203人中74人(36.5%)となり、実家暮らしでも家計簿をつけている人が3割以上いることがわかりました。
また、実家以外に住んでいて家計簿をつけている大学生は64人中28人(43.8%)となり、僅差ではありますが実家暮らしの大学生の割合より7.3%高くなりました。
実家以外に住んでいる学生のほうが、親に頼らず、自分の力で生活するという意識が高いのかもしれません。
図9大学生が自由に遣える金額は月3万円程度
次に、毎月「洋服(装飾品等)」「外食(飲み会等の交際費)」「趣味(レジャー費)」にかけるお金について、全国の大学生の男女267人にアンケートを取りました。
まず毎月の洋服(装飾品等)代について聞いてみたところ(図10)、バイトの就業の有無に関わらず「1万円未満」と答えた人がそれぞれ8割以上でした。
<毎月の洋服(装飾品等)代>
【1万円未満】
バイト有/161人中131人(81.4%)
バイト無/106人中85人(80.2%)
バイトをしていても、毎月の洋服代を1万円以上捻出するのは、さすがに難しいようです。
図10毎月の外食代(飲み会等の交際費)についても(図11)、「1万円未満」がトップ。次に「1万円以上~4万円未満」という結果になりました。
<毎月の外食代>
【1万円未満】
バイト有/161人中99人(61.5%)
バイト無/106人中87人(82.1%)
【1万円以上~4万円未満】
バイト有/161人中59人(36.6%)
バイト無/106人中17人(16.0%)
次に、気になる毎月の趣味にかかる費用(レジャー代)ですが(図12)、こちらも「1万円未満」がトップ。次に「1万円以上~4万円未満」という結果になりました。なかには、7万円以上使うという強者も……!
<毎月の趣味にかかる費用(レジャー代)>
【1万円未満】
バイト有/161人中96人(59.6%)
バイト無/106人中81人(76.4%)
【1万円以上~4万円未満】
バイト有/161人中53人(32.9%)
バイト無/106人中23人(21.7%)
以上の結果から、大学生は洋服、外食、レジャー費のいずれも、選択肢のなかで最低額である「1万円未満」を一番多くの人が選んでいました。
バイトをしていてもしなくても、自由に遣えるお金があわせて3万円弱であることがうかがえます。
●バイトをしている学生のほうが浪費傾向あり
外食費、趣味費にかける金額を見てみると、アルバイトをしている人のほうが、していない人よりも「1万円以上~4万円以内」を選択している人が多いことがわかります。
経済的余裕があるためか、自分で稼いだお金を自主的に使おうという意欲が働くためか、バイトをしていない人よりは比較的浪費傾向があるようです。
しかし、結果としては5年前の調査と傾向にさほど変化はなく、学生の財布の紐は依然として固い状態だといえるでしょう。
大学生に、お金に関する将来の不安をきいてみた。
最後に、大学生の人に対して「お金に関することで知りたいこと、不安に思っていること」をフリーアンサーで募りました。
<お金に関することで知りたいこと、不安に思っていることはありますか?>
有効回答数/263サンプル
なし、特になし/219人
貯金について/12人
投資・副業・アルバイトについて/10人
年金など税金について/7人
学費、奨学金の返済について/6人
その他/9人
<貯金について>
●大学生の貯金額の平均(男子学生・実家・バイトあり)
●部活でお金がかなりかかるため、貯金がどんどん減っていく(男子学生・実家・バイトなし)
最も多かったのが「貯金」に関する不安の声でした。
バイト代が生活費や部活やサークル活動費で消えていってしまう、将来のためにいくら貯金すればいいのかわからない、と悩む人が多いようです。
<投資・副業・アルバイトについて>
●税金関係 投資についてなど(男子学生・実家以外・バイトなし)
●大学生でも投資をした方がいいのか?(男子学生・実家・バイトあり)
●国債とか社債について知りたい(男子大学生・実家・バイトあり)
意外と多かったのが、投資について知りたいという声でした。
難しそう、と思われがちの投資ですが、最近は徐々に「貯金よりも投資してお金を増やす」という考え方が広まりつつあります。
それにともない、将来のために投資の仕組みを理解したいと考える学生も増えているようですね。
<学費の支払い、奨学金の返済について>
●授業料が高い(男子学生・実家以外・バイトあり)
●将来の奨学金の返済の心配(男子学生・実家・バイトなし)
たびたび問題視される奨学金の返済。卒業と同時に借金を抱え込むようなものなので、将来の見通しが立たず苦しむ学生も多いようです。
自分に対する投資、とも言えますが、特に自分で学費をまかなう学生にとっては、非常に重たい負担ですよね。
<年金など税金について>
●年金は払うだけ払って自分はもらえないのかと思う(男子学生・実家・バイトあり)
●確定申告がよくわかりません!(男子学生・実家・バイトなし)
社会に出たら「わからない」では済まされなくなる、税金の話。しかし学校でも特別習うことはなく、なんとなくそのまま……で来てしまった人もいるのではないでしょうか。
<その他>
●入院など、急な大出費に対応できるか心配(男子大学生・実家以外・バイトあり)
●体調を崩してよけいな出費にならないか(男子大学生・実家・バイトあり)
急な出費、特に健康に関する不安の声も多く聞かれました。
「老後のために貯金をしたとしても、突然の出費で足りなくなるのでは」という不安が常につきまとっているのかもしれません。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
前回の調査同様に家計簿をつける学生は3の人1人。財布の紐を固めつつ、しっかり支出管理をしているようすがうかがえました。
将来の備えをするのも大事なことですが、自分が本当にやるべきこと、やりたいことに対して注力できる時間があるのも、学生ならでは。
お金に対して不安に思っていることがあれば、今のうちに納得するまで調べてみるのもいいかもしれませんね。
- 調査項目
1. 性別を選択してください。(SA) 2. 職業を選択してください。(SA) 3. 現在アルバイトをしていますか?(SA) 4. 居住環境を選択してください。(SA) 5. 親からの仕送り・お小遣いはいくらもらっていますか?(MA) 6. アルバイト代は毎月いくらですか?(SA) 7. 毎月いくら貯金をしていますか?(SA) 8. 家計簿等をつけ、支出を管理していますか?(SA) 9. 誰が学費の支払いをしていますか?(SA) 10.毎月の洋服(装飾品等)代はいくらですか?(SA) 11.毎月の外食代(飲み会等の交際費)はいくらですか?(SA) 12.毎月の趣味(レジャー等)にかかる金額はいくらですか?(SA) 13.お金に関することで知りたいこと、不安に思っていることはありますか? なければ「なし」とお書きください。(FA)
[取材執筆・構成・インタビュー写真撮影] 真田明日美