危険物取扱者は、危険物の取り扱いに関するプロフェッショナルです。たとえばガソリンスタンドでガソリンを取り扱う、それが危険物取扱者です。危険物取扱者の資格は甲・乙・丙の3種類に分かれており、特に甲に関しては、乙や丙が取り扱う範囲を含めた全ての危険物取り扱いが可能であるため、化学工場や石油関連の施設、タンクローリーなど、とても幅広い分野で活躍が期待できます。危険物取扱者は、危険物を取り扱う施設で実際に危険物を取り扱うだけでなく、安全を守るために点検を行ったり、他のスタッフへの教育を行う役割も担っています。専門性が高い知識や技能が必要となるため、危険物を取り扱う仕事において重宝され、キャリアアップに役立つ資格といえるでしょう。
危険物取扱者は国家資格となります。乙と丙については、受験資格に制限はありません。したがって、たとえばガソリンスタンドでのアルバイトを行っている方などが知識を高めるために受験し、資格を得ることも可能です。甲については、大学などで化学を学ぶか、乙種の危険物取扱者の資格を持ち、かつ実務経験が2年以上ある者などといった制限があるため、事前に確認が必要となります。試験内容は、法令から化学や物理学の基礎知識、危険物の性質、火災の予防方法や消火方法など、実務に即した内容となっています。小さなミスが大惨事を招く危険もあるため、危険物取扱者には冷静さと慎重さ、正確さなどが求められます。また危険物の取り扱いに従事している方は、知識や技能を修得するため、定期的に講習を受ける必要があり、向上心を維持することが求められます。
財団法人消防試験研究センター
石綿作業主任者は、別名アスベストと呼ばれる石綿に関連する作業のプロフェッショナルです。石綿（アスベスト）については、多くが建物の建材として使用され、のちに健康障害が発生したことから社会問題化した経緯があります。そのため石綿作業主任者は、石綿が引き起こす健康障害やその予防についての知識を持ち、作業環境を改善するための知識を身につけ、実際に解体作業や化学物質を取り除く作業の際には、作業員が石綿による健康障害に陥らないよう、排気や各種装置での予防を行ったり、保護具を使用するなど、専門知識を駆使して現場作業の指揮に当たります。石綿の被害を防止し、危険性を回避するという意味において、社会的意義のある仕事ともいえるでしょう。活躍の場は、工場や解体業者、改修業者などが挙げられます。
石綿作業主任者は、労働安全衛生法に規定された国家資格です。主任者となるには、技能講習を受講し、修了試験に合格することで資格を得ることができます。技能講習の受講資格は、18歳以上となっており、実務経験は特に必要ありませんので、18歳以上であればアルバイトの方でもチャレンジが可能です。講習で学ぶ内容としては、石綿による健康障害や予防方法、作業環境に関する知識、保護具について、関係する法令などです。作業員の健康に関わる仕事であり、専門の知識を駆使して石綿から現場の安全を守るという点において、やりがいも大きい仕事だといえるでしょう。
建設業労働災害防止協会
毒物劇物取扱責任者とは、農薬や塗料といった毒物、劇物の輸入や製造、販売について専門の知識を持つスペシャリストです。日本では、これらの製造や販売、監理監督にいたるまで、毒物劇物取扱責任者の資格が必要となります。毒物や劇物を取り扱う施設では、毒物や劇物の取り扱いに責任を持つ毒物劇物取扱責任者を選任し、届け出ることが義務付けられており、資格が重要な要素となっています。毒物劇物取扱責任者という資格を活かせるフィールドとしては、工場や薬局、農業、薬品関係での仕事が挙げられます。なお国家資格を得るために試験を受けるほか、薬剤師や厚生省令で定める学校で応用科学に関する学科を修了した方なども毒物劇物取扱責任者の資格があります。
毒物劇物取扱責任者は、国家資格です。資格を得るためには、国家試験に合格する必要があります。受験資格に制限がないため、どなたでもチャレンジできる資格です。試験方法などは、都道府県によって多少異なるため、各々に確認が必要となります。資格には「一般」「農業用品目」「特定品目」といった区分があり、区分ごとに取り扱いができる内容が異なります。関連する法律はもちろん、毒物や劇物に関する性質や取り扱いに関する知識も必要となりますので、受験に対する事前の準備が必要です。薬剤師や厚生省令で定める学校で応用科学に関する学科を修了した方などは、毒物劇物取扱責任者の資格があるため、受験は不要です。
都道府県 福祉保健局
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