【例文】バイト先から退職届を求められたら? 提出タイミングを見計らえ
バイトスタッフであっても、辞めるにあたって退職届が必要なケースがあります。退職届には書式や提出方法に決まりやマナーがあり、知らなければ職場に迷惑をかけるだけでなく、トラブルの原因になる場合も。注意が必要です。
今回は、間違えやすい「退職届」と「退職願」の違いをはじめ、退職届を書く際に役立つ例文、提出時の注意点について解説します。
退職届についての正しい知識を身につけ、これまで世話になったバイト先に失礼のないように気持ちよく退職しましょう。
退職届が必要か、辞める意思表示のタイミングも含めてバイト先に確認
バイトを辞める際に、退職届が必要になるのはどのようなケースでしょうか? 円満に職場を去るためにも、退職時に必要な書類や段取りを把握しておきましょう。
※なお、これから展開する説明は公開当時に施行されている法律に準じています。
▼あなたのバイト先は退職届が必要か、早めの確認を▼
アルバイトの立場で働いていた場合、退職届の提出は求められないことが多いでしょう。現場の責任者に口頭で伝え、受け入れられるケースがほとんどです。
しかし、職場によっては退職届の提出が必要な場合もあります。就業規則や直属の上司、店長などに聞いてみましょう。あなたの前に辞めた同僚がどうしていたか……もヒントになるかもしれません。辞意が生じた時点で退職届が必要かどうか、確認しておきましょう。
▼退職届を出す前にバイトを辞める意思表示をしよう▼
退職届が必要なバイト先だった場合、責任者へ何の相談もなしに退職届を出してはなりません。まずは、
退職の希望時期
を、相手が納得し得る理由とともに伝えましょう。了承を得られたあと、決められた手続きや段取りを踏んでから退職届を提出します。
民法第627条では、
当事者が雇用の期間を定めなかった時は、各当事者は、いつでも解約の申入れをすることができる。この場合において、雇用は、解約の申入れの日から2週間を経過することによって終了する。
※読みやすさのため、一部表記を変更しております。
と定められています。つまりこれは、辞めたい日の2週間前に退職の希望を伝えれば雇用契約を解除できる……ということ。
参考:e-Gov「民法 第627条」
ただし、あなたが退職したあとの人員配置や引き継ぎ業務、シフト作成者の混乱を防ぐためにも、1ヵ月ほど前に伝えておくほうが良心的でしょう。就業規則で退職に関する意思表示のタイミングが定められている場合もあるので、その場合はルールに従うことが大切です。
こちらもチェック!
■バイトをスムーズに辞めるには? 辞めるベストな理由、伝え方、申し出るタイミング
退職 “届” と退職 “願” の違いを把握してから提出しよう
よく似ている「退職 “届”」と「退職 “願”」。大きな違いは、退職がすでに決まっているかどうか。それぞれの違いをよく理解せずに提出すると、バイト先に対して失礼にあたる場合があるので注意しましょう。
▼【退職届】バイトの退職が確定したら提出する▼
退職 “届” は、すでに退職が決まったバイトスタッフが労働契約の解除を申し入れるために提出するもの。辞意をバイト現場の責任者に伝え、ともに合意したあと、必要に応じて提出します。上司に退職意思を伝えていない、もしくは伝えていても退職の合意形成がなされていない状態で退職届を出すのは失礼にあたります。
提出した時点でバイト先へ明確な意思表示となるため、原則として撤回することはできません。すでにバイト先に辞意を伝え、退職が確定したら提出するようにしましょう。
▼【退職願】バイト先を辞める意思表示をする▼
一方の退職 “願” は、労働契約の解除を願い出るもの。アルバイト先へ退職を申し込み、承諾を得て初めて認められるため、提出した時点では退職になりません。上司や責任者が承諾するまでは撤回できます。
口頭で辞意を伝え、承諾されることの多いバイト現場では、退職願の提出が必ず求められるわけではありません。しかし文書で辞意を示すことで、退職を申し出た証明になります。退職願を受け取ったバイト先は、内容を受理するかどうかの検討を行います。
【例文あり】バイト先に提出する退職届の作成方法
退職届にはあらかじめ定められたフォーマットがあり、そちらに従って作成すれば難しくありません。ここでは正しい書き方とわかりやすい例文を紹介しましょう。
▼用意すべきは、A4/B5用紙・ボールペン・印鑑▼
バイト先へ提出する退職届の作成には、A4もしくはB5サイズの用紙を用いるのが一般的です。白無地や罫線の入ったシンプルなものを選びましょう。
パソコンで作成してもかまいませんが、退職届の作成は手書きが主流。ボールペンや万年筆を使って丁寧に作成しましょう。鉛筆やシャープペンシル、文字を消せるフリクションシリーズはオススメできません。書き損じたら修正ペンやテープを使わずに、新しい用紙に書き直すこと。
印鑑は三文判や認印を準備してください。便利かもしれませんが、正式な文書ですのでシャチハタの利用はやめましょう。
▼【例文あり】退職届/退職願は書式通りにカンタン作成▼
「退職届」と「退職願」は以下の書式に添って、丁寧に作成しましょう。ポイントは6点!
①名目:紙を縦型にして、右端の中央に「退職届」or「退職願」
②書き出し:名目の次行の一番下に「私儀」と入れる
③退職理由:「この度は一身上の都合により、勝手ながら○年○月○日をもって退職いたします」と記入
→退職 “願” の場合、「○年○月○日をもって退職いたしたく、ここにお願い申し上げます」とする
④届出年月日:提出する日付を記入
⑤所属部署・氏名:宛名より下に、所属部署と氏名を記入して捺印
⑥宛名:バイト先の会社名、執行責任者(代表取締役社長が一般的です)の氏名に「殿」を付けて記入
用紙の向き、書式ともに縦書きがよいでしょう。バイト先で決められたフォーマットや形式がある場合には、そちらに従って書くようにしてください。
作成し終えたら、開いた時に退職届or願の上部が見えるよう “三つ折り” にして、白い無地の二重封筒に入れましょう。封筒の表面には「退職届」または「退職願」と書き、裏面の差出人欄には所属部署と自分の名前を書き入れて封をします。
バイト先に退職届を提出する時の注意点2ポイント
退職届を作成したら、どのように提出すべきなのでしょうか? 退職時のトラブルを避けるためにもマナーを頭に入れておき、正しく提出しましょう。
▼バイト先には原則 “手渡し” で退職届を提出すべし▼
バイト先へ退職届や退職願を提出する時は、直属の上司や現場の責任者に手渡ししましょう。同僚など別の誰かに頼んで渡してもらう、机上に置いておく……といった間接的な方法では、あとあとトラブルに発展する可能性も考えられます。
退職届(願)は重要な書類ですので、社会人として責任をもって手渡ししましょう。ほかのスタッフの目につきにくい時間帯を選び、ミーティングルームなどで渡すとスマートです。
しかし、体調が優れない、職場でのトラブルで顔を出しにくい……など特別な事情がある場合には、郵送でもかまいません。受け取り手の上司から「郵送でもよい」と言われた場合も同様。いずれにせよ、提出の前に確認しておきましょう。郵送の場合には、ひと回り大きな封筒を用意して、退職届(願)を入れた封筒と添え状を入れて送ります。
フォーマットに従って正しく作成した退職届(願)も、提出方法のマナーをわきまえないと常識を疑われてしまうことも。「どうせ去るバイト先だし」と気を抜かず、しっかり対応しましょう。
▼“控え” として退職届のコピーをとっておこう▼
万が一、退職届(願)を受け取った/受け取っていない……といったトラブルが起こった時にも対応できるよう、退職届のコピーを “控え” として残しておきましょう。証拠として残るため、あとから内容を確認できる点からも安心できるでしょう。
さいごに
ここまでバイト先に提出する「退職届」と「退職願」について詳しく紹介してきました。非正規雇用であるバイトの立場であったとしても、会社によっては退職届が必要なケースがありますので、決められた就業規則に従って、退職までの手続きを正しく踏んでくださいね。
ポイントは、
・退職届(願)の提出が義務づけられているかバイト先に確認する
・辞意を伝えるタイミングを見計らう
・「退職届」と「退職願」の違いを把握する
・退職届(願)は書式やフォーマットに従って作成し、原則手渡しする
の4点。スマートにバイト先を辞めるためにも、退職届の取り扱いはくれぐれも注意しましょう!
なかには辞意を伝える勇気が出ずに「ばっくれてしまおうかな……」と考えてしまう人もいるかもしれません。でも、社会で働く人間として “ばっくれ” は絶対によくありません。以下の記事では、バイトをばっくれるとどうなるか解説しています。ぜひチェックしてみてください。
■バイトをばっくれると給料はどうなる? 電話が来るって本当?
- バイト探しは『おすすめディスカバイト』で!
アルバイト探しなら『おすすめディスカバイト』が断然オススメ! おすすめディスカバイトを通じてアルバイトに採用されると、お祝いポイントがもらえます。全国各地のさまざまな職種のアルバイト情報を掲載していますので、ぜひチェックしてみてくださいね。