バイトを辞めさせてくれない時に確認したい法律と取るべき行動
「バイトを辞めたいのに、なかなか辞めさせてくれない」「辞めたいと伝えたのに、曖昧な態度を取られてしまう」と悩んでいる人は意外と多いはず。人手不足や多忙だからといったバイト先の要望をのんでばかりいたら、いつまでも辞められないかもしれません。
世話になったバイト先は円満に退社したいもの。しかし、なかなか辞めさせてくれない時には法律を確認しながら適切な対処をすることも大切です。
この記事では、辞めさせてくれないバイト先に退職の許可をもらうための方法を取り上げました。円満な退職方法から確実に辞められる最終手段まで詳しく解説していきますよ。ぜひ、参考にして悩みを解決してくださいね。
もし、退職後に新しいバイトを探すなら、アルバイト求人サイト「おすすめディスカバイト」がおすすめです。シフトの相談がしやすい仕事や希望のシフトを選べるバイトなどをたくさん掲載しています。
きっと理想のバイト先が見つかるので、下記から求人情報をチェックしてみてください。
【目次】
1. アルバイトは責任者が認めなくても法律上は辞められる
2. バイトを辞めさせてくれない時の対処
3. 辞めさせてくれないからといってばっくれは厳禁
4. まとめ
※なお、これから展開する説明は2019年5月現在に施行されている法律に準じています。
アルバイトは責任者が認めなくても法律上は辞められる
バイト先の責任者が退職を認めない場合でも、法律上では辞めることが可能です。ただし、雇用期間が定められている/いないで、適用される法律条文が異なります。まずは、法律ではどのような定めがあるか詳しく解説していきましょう。
▼契約期間を定めていないなら辞意の申し出から2週間で辞められる▼
民法第627条ではアルバイトの雇用契約期間を定めていない場合、いつでも辞める意思を申し出ることができるとされています。退職理由についての定めはなく、自己都合であってもかまいません。
当事者が雇用の期間を定めなかった時は、各当事者はいつでも解約の申入れをすることができる。この場合において、雇用は解約の申入れの日から2週間を経過することによって終了する。
※読みやすさのため、一部表記を変更しています。
参考:e-Gov「民法第627条」
つまり、契約書に雇用期間が記載されていない場合は、退職時期の自由が認められているということ。店長や雇用主に「辞めたい」と申し出ているスタッフを働かせ続ける権限はありません。
法律では退職を申し出たその日から2週間を経過することで雇用契約が終了すると定められています。つまり、退職の許可を得られていないとしても、申し出から2週間を経過すれば雇用契約を終了できるということです。契約が終了すれば出勤する義務はありません。
しかし、就業規則に2週間より長い期間が定められている場合もあるので、円満に退職したいなら事前に確認したほうがよいでしょう。就業規則を無視して退職を強行すると、あとからトラブルになる恐れがあるからです。友好的に退職するには店長や責任者の合意を得たうえで最終出勤日を決めることが大切。円満に退職する方法は、次の章で紹介しますので参考にしてください。
▼やむを得ない理由があれば契約期間中でも辞められる▼
雇用の契約期間を定めている場合は、原則決められた期限を守る必要があります。ただし、やむを得ない理由がある場合は民法第628条が適用され、契約期間内であっても退職が可能です。
当事者が雇用の期間を定めた場合であっても、やむを得ない事由がある時は、各当事者は直ちに契約の解除をすることができる。この場合において、その事由が当事者の一方の過失によって生じたものである時は、相手方に対して損害賠償の責任を負う。
※読みやすさのため、一部表記を変更しています。
参考:e-Gov「民法第628条」
このことからも、契約期間内であってもやむを得ない理由がある場合には退職できることがわかります。たとえば、
・自身が病気で働けなくなった
・家族の介護をしなければならなくなった
・配偶者の転勤によって遠方へ引っ越さなければならなくなった
といった理由からバイトの継続が難しい場合が当てはまりやすいでしょう。
参考:TOKYOはたらくネット「仕事を辞めたくなったら①(雇われる期間が決まっている場合)」
ただし、やむを得ない理由がない場合は、雇用期間中の退職は難しいでしょう。「バイトに飽きたから辞めたい」といった身勝手な理由では辞められないということです。
以下の記事では、契約期間中に辞められる可能性がある “退職理由” をさらに詳しく解説しています。あなたに当てはまる理由があるか、チェックしてみてください。
店長から許可が下りない……バイトを辞めさせてくれない時の対処
バイト先の店長や上司に「辞めたい」と伝えても「人手不足だから無理」「あと少しがんばって」「週に1回だけでもシフトに入って」などと理由をつけて辞めさせてもらえない場合、どのように対応すべきなのでしょうか? ここでは「バイトを辞めさせてくれない!」と困った時の対処法を紹介します。
▼円満に辞めるには店長と話し合い、双方が納得できる退職時期を決める▼
世話になったバイト先は、できれば円満に辞めたいですよね。そのためには、辞めなければならない理由に納得してもらえるように、バイト先の店長や上司としっかりと話し合いましょう。
辞意を伝える時は、周囲にバイト仲間がいる環境ではなくマンツーマンで話す時間を確保してもらえるよう、あらかじめ上司にお願いしておきます。時間をもらえたら「学業が忙しい」「引っ越しをする」などバイトを続けられない理由を述べて、上司に辞めることを納得してもらえるように話し合いましょう。納得してもらい退職の許可を得られれば、円満に辞められるでしょう。
しかし、理由を述べても「人手不足だからあと少しがんばって」「今すぐには判断できない」などと、辞めることを先延ばしにされてしまうケースもあります。そのような場合は、今まで世話になったバイト先の気持ちも汲んで、続けられる最長期間を提案してみましょう。
「○月までなら、何とかがんばれます」などと話して、互いが納得できる期間を提案します。双方が納得のできれば、バイトを辞める時期のめどが立って気持ちも軽くなるはずです。次のステップへの準備も進めやすくなりますね。
まずは、上の2段階の方法で円満に退職できるよう話し合いましょう。
以下の記事では、周囲が受け入れやすい退職理由や店長への伝え方を紹介しています。あわせて読めば、さらに上手に辞意の申し出を持ち掛けることができるでしょう。
▼話し合っても辞める許可が下りない場合は親や友人に相談▼
バイト先の店長や上司に辞めたい意思を伝えても許可が下りない場合、不安や不信感を抱く人もいるでしょう。「一体どうしたらいいの?」と考え込んで、ストレスを溜めてしまうのはよくありません。
どうしようもない状況に困ったら、周囲に相談するのがおすすめです。友人や家族に「バイト先が辞めさせてくれない」とこれまで行った話し合いの経緯を説明し、意見を聞いてみましょう。バイト経験のある友人なら、よいアイデアや対処法を知っているかもしれません。また、未成年者の場合は保護者からバイト先に連絡を入れてもらい、辞められるよう話してもらうのもひとつの手段。保護者からの申し出となると、すんなり辞めさせてくれるバイト先も多いです。
周囲に話せる人がいない場合は、各都道府県にある労働局の専用窓口に相談してみることも視野に入れてみてください。無料で相談できる窓口があるため、学生でも安心して利用できます。あなたの現状に合った適切なアドバイスがもらえるでしょう。
▼最終手段はバイト先へ退職願を郵送▼
どれだけ話してもバイトを辞めさせてくれない時や、退職時期を先延ばしにされてしまう場合は、退職願を郵送する方法を検討してみましょう。先ほども解説した通り、契約期間の定めがない雇用の場合、民法上では辞意を伝えてから2週間が経てば辞められるとされています。
退職願を郵送したら、バイト先が受け取ってから2週間経つと原則契約終了になります。ただし、就業規則で「1ヵ月前に申し出ること」など2週間を超える期間が申告時期と定められている場合は、トラブルを避けるためにもそちらの期間を優先したほうがよいでしょう。
普通郵便ではいつ届いたのか確認できません。受け取った/受け取っていないという水掛け論を回避するには、内容証明郵便に配達証明を付けましょう。退職したい旨を申し出た証拠となります。ただし、契約が終了するまでの期間にシフトに入っている場合は、出勤しなければなりません。
こちらの方法は円満な退職にならない可能性も考えられるので、最終手段として覚えておいてくださいね。
以下の記事では、退職届の書き方を紹介しています。退職届を用意する際の参考にしてください。
辞めさせてくれないからといってばっくれは厳禁!
バイト先の店長や上司へ退職意思を伝えても辞めさせてくれないといって、無断で行かなくなることは絶対に避けましょう。あなたが急に行かなくなることで上司だけなく一緒に働いていたバイト仲間にも迷惑がかかります。
また、バイト先によってはスタッフが一人欠けるだけでも業務が回らなくなるケースも。周囲に大きな迷惑がかかることは容易に想像ができますよね。
バイトの雇用契約が終了するまでは、責任を持って定められた仕事を遂行するようにしてください。
以下の記事では、バイトをばっくれてしまった時の給料事情や、損害賠償の請求が来るか? といった気になるポイントを解説しています。ぜひ、参考にしてください。
まとめ
この記事では、バイト先があなたを辞めさせてくれない時の対処法を紹介してきました。内容をおさらいしましょう。
●契約期間が定められていない場合、理由に関係なく辞意を伝えることで契約終了できる
●契約期間が定められている場合、やむを得ない理由がある時は期間内であっても契約終了できる
●バイトを円満に辞めるには上司と話し合い、互いに納得できる退職時期を決めることが理想
●バイトの退職許可が下りない場合は、友人や親、労働基準監督署などに相談するのもひとつの手段
●最終手段として退職願を郵送する方法もあり、受領日の2週間後に契約終了が原則成立する
●いくらバイトを辞めさせてくれないからといって、ばっくれるのは絶対に厳禁
今まで世話なったバイト先だからこそ、できれば円満に辞めたいところ。まずは、上司と話し合って互いの思いや気持ちを共有するところから始めましょう。
もし、退職後に新しいバイトを探すなら、アルバイト求人サイト「おすすめディスカバイト」がおすすめです。シフトの相談がしやすい仕事や希望のシフトを選べるバイトなどをたくさん掲載しています。
きっと理想のバイト先が見つかるので、下記から求人情報をチェックしてみてください。
次におすすめする記事はこちら。バイトを辞めることが決まった際の挨拶の仕方を紹介しています。円満に退職するためには、最後まで礼儀正しく接することが大切。最終出勤日の挨拶の仕方や、周囲に辞めることを伝えるタイミングなど役立つ情報をお届けしていますよ。